日本最大の高層湿原
尾瀬は、四季を通じ大自然が人々の心を癒してくれる、
言わずと知れた有名な観光地です。
ここは、約1万年前に形成されたと考えられる湿原で、
尾瀬国立公園に指定され、日本百景にも選定されています。
名曲「夏の思い出」でも大変有名ですね。
春は水芭蕉、夏はニッコウキスゲ、秋は草モミジなどの花々が、
私たちを迎えてくれます。
また、尾瀬は「至仏山」「燧ケ岳」など、
日本100名山としても有名な山が、湿原を囲むようにそびえています。
ダム計画が1万年の歴史を奪う
今は自然豊かな尾瀬ですが、歴史を振り返ると、今のようになるまでに、
穏やかではない出来事と大変な苦労がありました。
尾瀬は、有数の豪雪地帯で水が豊富だったことから、
明治36年には大規模な水力発電ダムの建設が計画されました。
現在の東京電力が水利権を取得し、
1949年には水力発電用のトンネルが完成してしまいます。
これは、ダムが完成すれば、
尾瀬は水没するという事を意味しています。
今の景色からは想像がつきませんし、
想像したくないような酷いことですね。
しかし、長蔵小屋の初代ご主人、平野 長蔵氏がダム計画の反対を訴え、
尾瀬の自然は守るべきである、という声が政府内にも存往したことから、
この開発を逃れる事ができました。
昭和30年代に入ると尾瀬ブームが起こり、
観光客増加による環境破壊などが起こるものの、
関係者の地道な努力で、その美しい姿を取り戻しました。
今の自然と景色を守るために、私たちもマナーを守りたいですね。
尾瀬がもたらす豊富な水
是非、一生に一度は訪れておくべき!といわれる尾瀬ですが、
楽しみは、「尾瀬ヶ原」や「尾瀬沼」だけではありません。
「日本の滝100選」に選ばれた「三条ノ滝」があり、落差はナント約100m。
ダイナミックに流れ落ちる滝の姿は豪快です。
ちなみに、滝の名前は、水量が減ってくると
三筋に分かれることに由来しているそうです。
さらに上流へ1km程歩いた先には、
長さ500mにもわたり川床の一枚岩を流れる「平滑の滝」があり、
女性的で優雅な景色を目にすることができます。
様々な顔を持つ広大な尾瀬ヶ原は、一日では回り切れません。
お風呂が利用できる小屋も数多くありますので、尾瀬を丸ごと堪能できるよう、ゆっくり日数を取って滞在することをおすすめします。