女子登山ガイド亜紀のおすすめ山歩きブログ

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春の燕岳

燕岳は表銀座の起点です

 

燕岳は2763m、
常念山脈の北部に位置し、
表銀座コースの起点でもあります。

 

山頂付近は、
高山植物の女王「コマクサ」の
群生地として有名です。

 

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燕岳名物のイルカ岩と、左奥には冬化粧の槍ヶ岳 

 

上の写真は、2017年4月に
ご紹介したものと同じアングルですが、
今回は、季節を変えて・・・。


雪の燕岳をご紹介いたします。

 

麓は春でも、燕岳の山頂は真冬並みです

 

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休憩ポイントの合戦小屋は、雪で埋もれています

 

燕岳では、4月から5月にかけて、
積雪量が一年で最も多い
季節となっています。

 

日差しは春といえども、
山では条件が厳しいため、
厳冬期の装備が必要です。

 

燕岳の麓は、すっかり春です

 

ゴールデンウィークの頃には
気温も上がり、麓の雪は
すっかり解けています。

 

 

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登山口の雪は、すっかり無くなっています 

 

 

登山口の登山相談所に、
ポストが設置されています。

 

ここで登山届けを出しましょう。

 

 

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登山届は必ず出しましょう

 

登山口には、
綺麗なトイレも設置されています。

 

時間には余裕をもって計画し、
ここでゆっくり準備を調えましょう。 

 

 

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登山口には綺麗なトイレがあります

 

 

複雑な気象条件となる季節です

 

春ですが、お天気の良い日は
強い日差しと、暑さを感じます。

 

 

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徐々に残雪が現れてきます

 

 

この日の朝は、良いお天気で、
ウェア1枚になるほどの暑さだったのですが、
このあと、大荒れとなります。

 

第二ベンチ・第三ベンチと
休憩場所へ足を進めるごとに、
雪の量が増えてきます。

 

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ほどなくして、一面雪の世界となります

 

合戦小屋に到着したお昼には、
暗雲が近づいてきました。

 

悪天候を避けるため、
休憩時間を短くして先を急ぎます。

 

 

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視界が悪くなりやすい為、目印の竹が立てられています 

 

 

あっという間に、
辺りは暗くなりました。

 

吹雪けばホワイトアウト

 

視界が無くなれば、
危険な状況に追い込まれます。

 

 

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お天気が崩れる前に燕山荘へ到着 

 

 

お天気が崩れる直前、
ギリギリセーフで山小屋へ入りました。

 

この後から上がって来た人たちは、
途中で雨や雷、吹雪に遭い、
待機を余技なくされたそうです。

 

穏やかな日は特別な景色が待っています

 

さて翌朝、
小屋を出て山頂へ向かいます。

 

この日は、美しい日の出と出会えました。

 

 

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早朝、幻想的な日の出が見られました

 

この時期でも、山頂近くの気温は
マイナス10度まで下がります。

 
足元が凍るため、
アイゼン・ピッケルは必携。

 

現地の状況をよく把握し、
自身の技術・体力の見極めが必要となります。

 

 

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白銀の山々を眼下に燕岳山頂を目指します

 

 

穏やかな日には、
特別な景色が待っています。

 

澄み切った空気の向こうに見える
白銀の世界は、人々を魅了してやみません。

 

 

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槍ヶ岳も朝陽に染まっています

 

燕山荘より約40分、
燕岳山頂へ到着です。

 

山頂は狭く、不安定な場所です。

 

写真を撮ったら、
足元に注意して下りましょう。

 

 

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燕岳の山頂は狭いため、速やかに先へ進みましょう

 

夏・冬ともに、
素晴らしい景色を堪能できる燕岳。

 

ご自身の技術に合わせ、
良い季節に訪れてみては如何でしょうか。

 

 

 

【DATA】

都道府県:長野県

標高差:2763m

中房温泉登山口

登り5時間、下り3時間半