女子登山ガイド亜紀のおすすめ山歩きブログ

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登山ガイド亜紀がおすすめする初心者のための山歩きブログです。

絶景と花の鳳凰三山

巨大な岩は鳳凰三山の由来となっています

 

鳳凰三山は、南アルプスに位置する
地蔵岳観音岳薬師岳の総称で、
日本百名山のひとつです。

 

古くはこの三山を「鳳凰山
と呼んでいました。


ですが、どの山が「鳳凰山」なのか、
昔から論争があったようで、
現在は「鳳凰三山」と呼ばれています。

 

 

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地蔵岳のシンボルとなっている大岩のオベリスク

 

地蔵岳の「オベリスク」と呼ばれる大岩は、
遠方の山からでも分かる程の大きさで、
鳳凰三山のシンボルにもなっています。


巨大な岩が突き出るようにそびえ立ち、
鳥のくちばしに見立てられたことから
鳳凰」の名前の由来にもなっています。

 

花の百名山 でもあります

 

迫力あるオベリスク
頂上にそびえるイメージとは反対に、
高山植物が豊富な鳳凰三山

 

 

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新・花の百名山に選ばれるほど、
多くの花が見られます。

 

 

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「高嶺の花」とも呼ばれるキバナシャクナゲ

 


鳳凰三山固有種の
「ホウオウシャジン」や、
南アルプスに生息する「タカネビランジ」
などが目を楽しませてくれます。

 

 

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岩場に可愛い花を咲かせるクモマナズナ

 

残念ながら私が訪れた時期は早すぎて、
ご期待に沿える写真はありませんが、
数えきれない程の高山植物に出会いました。

 

 

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小指より小さなウラシマツツジの花

 

過酷な気象条件の中、
力強く生き延び・花ひらく姿には、
いつも感動させられます。

 

現地の状況確認と装備が大切です

 

鳳凰三山の登山コースはいくつかあり、
滝めぐりが楽しめるドンドコ沢のルート、
中道、御座石、夜叉神ルートがあります。

 

登山道の雪渓は、6月ごろまで残りますので、
現地の状況を事前によく把握しておきましょう。

 

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ルートによっては、遅くまで雪渓が残ります

 

どのルートも、鎖やハシゴがないため、
鳳凰三山は「初心者向け」と紹介されています。

 

といっても、
長い登りが続きます。

 

行程は、山小屋泊で
計画される事をおすすめします。

 

稜線は、お天気が良ければ最高!の
お散歩コースですが、
風雨を避ける場所が一切ありません。

 

天気が急変すれば、
遭難のリスクが一気に高まります。


どんな山でも、余裕をもって
歩き抜ける体力と装備が重要となります。

 

鳳凰三山の醍醐味は稜線歩き!

地蔵岳観音岳薬師岳の山頂は
繋がっているため、この大パノラマの
稜線歩きが目的で訪れる人も
少なくありません。

 

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360度のパノラマを楽しみながら三山を大縦走!

 

目の前に北岳甲斐駒ヶ岳
お天気が良ければ、遠くは八ヶ岳
富士山を眺めることが出来ます。

 

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稜線の先には雄大甲斐駒ヶ岳、右側にはオベリスク

 

薬師岳山頂に到着すれば、
目の前に迫力の北岳

 

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薬師岳の山頂で、北岳を眺めながらのランチタイム

 

南アルプス中央アルプス
富士山などの山々を眺めていると、
時間がいくらあっても足りません。

 

 

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遠くには富士山がそびえていました

 

独特の風習が残る「賽の河原」の「子授け地蔵」

 

オベリスクの立つ地蔵岳の麓に
「賽の河原」があります。

 

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手前に賽の河原があります

 

ここには独特の風習があり、
賽の河原に並ぶ「子授け地蔵」を一体持帰り、
子供が授かれば地蔵を二体にして
返すというもの。

 

重い石造を何時間も背負ってまで・・・
切なる思いが伝わってきますね。

 

このように様々な思いで楽しめる鳳凰三山

 

是非一度、
足を運んでみてはいかがでしょうか。

 

【DATA】

鳳凰三山

都道府県:山梨県