山へ入るためのマナー
山を安全に楽しむために出来ること
日常生活や社会生活で
様々なマナーがあるように、
登山にも沢山のマナーがあります。
このマナーを知っているかどうか、
守れるかどうかによって、
安全に山を楽しめるかどうかの
分かれ道となります。
奥深い山、里山にかぎらず、
一歩、山に足を踏み入れた途端!
世界は一変します。
山に入れば、
電気や水道など、一切ありません。
お金を持っていても、
山小屋など無ければ、
飲み物や食べ物は買えません。
ケガや足がつった、などで
動けなくなった時、
また、道迷いなど起こした時には、
一瞬にしてサバイバルを
強いられる事になります。
「全てを自分で解決しなければならない」
という事を念頭に置く必要があります。
今回は「登りの登山者が優先」
などのマナーではなく、
「自己責任」における
マナーをお伝えしたいと思います。
遭難者における救助の現場
いきなりですが、
実際に遭難があった時の様子を
お伝えします。
私達が、山小屋での夕食を終え、
消灯までの時間を過ごしていた時のこと。
小屋に設置されてある無線から、
「現場に到着!」と、
緊迫感のある声が響き渡りました。
負傷して動けなくなった
登山者が居る現場へ、
救助隊が到着した様子。
時間は、夜7時半。
辺りは真っ暗。
無線からは怪我の状態などを
詳しく報告しているのが聞こえます。
北アルプスの奥深い山で
負傷して動けなくなったのでしょう。
気温は13度、風は14m。
シトシトと雨も降り、
体が相当冷えます。
現場付近は岩場やガレ場が続く稜線。
当然、この時間では
救助ヘリは飛べません。
暫く、救助隊員と
山小屋のやり取りが続き、
「負傷者と一緒に小屋へ向かう」、
との声が聞こえました。
無事に小屋へ辿り着いたようでしたが、
救助隊員は怪我人を抱え、
大きなリスクを背負い、
危険な歩行となったに違いありません。
遭難や事故の原因は様々です
先ほどの怪我の原因は
分かりませんが、
他人事ではありません。
山は、命にかかわるような
危険と常に隣り合わせです。
そこで大切なのが、自身が入る山は、
身の丈にあっているのかどうか。
「備えを十分にして、山へ入る」
マナーつ事を心がけましょう。
備えを十分に持って入るマナー
まずは行く予定の「山を把握する」こと。
リーダーや仲間任せにするのはNGです。
地図やコースタイムをよく確認・イメージし、
現地の情報も詳しく収集しましょう。
次に、「自分の実力を知る」ことです。
普段から、どれくらいのスピードで、
どれくらいの時間、行動可能か把握し、
身の丈に合わない登山をしないこと。
さらに、「天気・気温を確認しておく」
事も重要です。
今は天気予報のサイトも増え、
麓や山頂の天気、気温、風速を確認できます。
どんな装備が必要なのか、
自分で判断出来るようにしておきましょう。
上記は、最低限のマナーです。
どんな低い山でもリスクを忘れずに…。
いつも安全に山を楽しみたいですね。