女子登山ガイド亜紀のおすすめ山歩きブログ

女子登山ガイド亜紀のおすすめ山歩きブログ

登山ガイド亜紀がおすすめする初心者のための山歩きブログです。

山へ入るためのマナー

山を安全に楽しむために出来ること

 

日常生活や社会生活で
様々なマナーがあるように、
登山にも沢山のマナーがあります。

 

 

f:id:joshi-moutain-guide:20181001183457j:plain

安全に山登りを楽しみたいですね 

 

このマナーを知っているかどうか、
守れるかどうかによって、
安全に山を楽しめるかどうかの
分かれ道となります。

 

奥深い山、里山にかぎらず、
一歩、山に足を踏み入れた途端!
世界は一変します。

 

 

f:id:joshi-moutain-guide:20181018221752j:plain

「もしも!」の時の水や医薬品、行動食は必需品です

 

山に入れば、
電気や水道など、一切ありません。

 

お金を持っていても、
山小屋など無ければ、
飲み物や食べ物は買えません。

 

ケガや足がつった、などで
動けなくなった時、
また、道迷いなど起こした時には、
一瞬にしてサバイバルを
強いられる事になります。

 

 

f:id:joshi-moutain-guide:20181021143757j:plain

自然の中で食料などを自力で調達できるでしょうか 

 

「全てを自分で解決しなければならない」
という事を念頭に置く必要があります。

 

今回は「登りの登山者が優先」
などのマナーではなく、
「自己責任」における
マナーをお伝えしたいと思います。

 

遭難者における救助の現場

 

いきなりですが、
実際に遭難があった時の様子を
お伝えします。

 

私達が、山小屋での夕食を終え、
消灯までの時間を過ごしていた時のこと。

 

小屋に設置されてある無線から、
「現場に到着!」と、
緊迫感のある声が響き渡りました。


負傷して動けなくなった
登山者が居る現場へ、
救助隊が到着した様子。

 

時間は、夜7時半。

 

辺りは真っ暗。

 

 

f:id:joshi-moutain-guide:20181102200518j:plain

暗くなったら無駄に動かず、体力を温存しましょう

 

 

無線からは怪我の状態などを
詳しく報告しているのが聞こえます。

 

北アルプスの奥深い山で
負傷して動けなくなったのでしょう。

 

気温は13度、風は14m。

 

シトシトと雨も降り、
体が相当冷えます。

 

現場付近は岩場やガレ場が続く稜線。


当然、この時間では
救助ヘリは飛べません。

 

暫く、救助隊員と
山小屋のやり取りが続き、
「負傷者と一緒に小屋へ向かう」、
との声が聞こえました。

 

無事に小屋へ辿り着いたようでしたが、
救助隊員は怪我人を抱え、
大きなリスクを背負い、
危険な歩行となったに違いありません。

 

遭難や事故の原因は様々です

 

f:id:joshi-moutain-guide:20181018223029j:plain

山岳地帯では危険を伴うため、救助する人も命がけです

 

先ほどの怪我の原因は
分かりませんが、
他人事ではありません。

 

山は、命にかかわるような
危険と常に隣り合わせです。

 

そこで大切なのが、自身が入る山は、
身の丈にあっているのかどうか。

 

「備えを十分にして、山へ入る」
マナーつ事を心がけましょう。

 

備えを十分に持って入るマナー

 

まずは行く予定の「山を把握する」こと。

 

リーダーや仲間任せにするのはNGです。


地図やコースタイムをよく確認・イメージし、
現地の情報も詳しく収集しましょう。

 

f:id:joshi-moutain-guide:20181018222403j:plain

自分が歩く登山道は、最低限把握しておきましょう

   

 

次に、「自分の実力を知る」ことです。

 

普段から、どれくらいのスピードで、
どれくらいの時間、行動可能か把握し、
身の丈に合わない登山をしないこと。

 

f:id:joshi-moutain-guide:20181114000234j:plain

日ごろのトレーニングが重要です

 

 

さらに、「天気・気温を確認しておく」
事も重要です。

 

今は天気予報のサイトも増え、
麓や山頂の天気、気温、風速を確認できます。

 

f:id:joshi-moutain-guide:20181113235757j:plain

最新の天気予報で確認しておきましょう

 

 

どんな装備が必要なのか、
自分で判断出来るようにしておきましょう。

 

上記は、最低限のマナーです。

 

どんな低い山でもリスクを忘れずに…。

 

いつも安全に山を楽しみたいですね。